
■ はじめに
元TOKIOの中心メンバーとして長年親しまれてきた長瀬智也さんは、芸能界を引退した現在、全く新しいフィールドで自分を表現しています。それが「モーターサイクルの世界」です。彼はバイクを単なる趣味として楽しむのではなく、それを通じて自分自身を深く表現し、新たな生き方を築いています。
■ 芸能界からバイクライフへ
芸能界では、多くの制限や演出がある中で活動しなければなりません。長瀬さんは、そうした世界を離れ、自分の感性と本音に従って行動できる世界としてバイクを選びました。彼にとってバイクは単なる移動手段ではなく、自分を表現するための重要なツール。風を感じ、エンジン音に包まれて走るその瞬間が、最もリアルで自由を実感できる時間なのです。
■ JAPANESE CHOPPER RACINGへの挑戦
長瀬さんが中心となって立ち上げた注目のプロジェクトが「JAPANESE CHOPPER RACING」です。これは、アメリカで人気を集めている「キング・オブ・ザ・バガーズ」というレースに影響を受けたもので、大型ツーリングバイクでサーキットを走るという型破りな挑戦です。
「バガー」とは、サドルバッグを装着した重量級のツーリングバイクのこと。通常レースに不向きとされるこのタイプをあえてサーキットに持ち込むことで、常識を覆すレーススタイルを日本でも広めようとしています。これは、まさに異色でありながら、長瀬さんの哲学「自分の道を信じて進む」に通じる挑戦です。
■ 信頼の仲間と作り上げたマシン
このプロジェクトを成功させるには、信頼できる仲間の存在が欠かせませんでした。長瀬さんは、JOYRIDE SPEED SHOPの西田裕さん、ROUGH MOTORCYCLE GARAGEの伊藤毅さんと共にチームを結成。彼らとともに、FLTRXロードグライドをベースにした特別なレース仕様のマシンを製作しました。
エンジンは排気量を増強し、足回りにはレース用の高性能パーツを導入。マフラーにはヨシムラ製の特注部品を採用し、見た目にも音にもこだわり抜いたバイクに仕上がっています。これらすべてが「本物の挑戦」を支えるための選択でした。
■ 富士スピードウェイでのレースデビュー

2024年6月、長瀬さんが制作に携わったバガーバイクは、富士スピードウェイで開催されたレースイベントでついにデビューを果たしました。彼のInstagramでこのニュースが発信されると、多くのファンが現地に集まり、その姿を見守りました。
レースを目撃した人々からは、「本気度が伝わった」「プロの域に達している」といった驚きと称賛の声が寄せられ、日本国内でのバガーレースへの注目度も一気に高まりました。長瀬さんの挑戦が、日本のモーターカルチャーの可能性を広げた瞬間でもあります。
■ 多彩なバイクへのこだわり
長瀬さんのバイク愛は一つのジャンルにとどまりません。彼はホンダの最新スーパースポーツ「CBR1000RR-R FIREBLADE」も所有しています。このモデルは、MotoGPの技術を応用した高性能バイクで、スピードと正確なコントロール性能が魅力です。
さらに、1990年代スタイルのクラシックチョッパーにも強い愛情を持ち、シンプルで味のある一台を愛用しています。彼のInstagramには、スタイリッシュなチョッパーやスーパースポーツの写真が並び、どちらの世界にも深く入り込んでいる様子がうかがえます。
■ 「CHALLENGER」に込めた哲学
長瀬さんのレースチーム名は「CHALLENGER RACING」。また、自身が手がけるアパレルブランドも「CHALLENGER」と名付けられています。この言葉には、「常に挑戦する者であれ」「枠にとらわれるな」という彼の強い信念が込められています。
レースへの挑戦、マシンの制作、ブランド運営——すべての活動の根底にこの精神が流れています。自分のスタイルを貫くこと、常識にとらわれずに進むこと。それが彼の表現であり、生き方そのものなのです。
■ まとめ:バイクで生き方を語る表現者
芸能界で成功を収めた後、まったく異なる世界に飛び込んだ長瀬智也さん。その姿は、多くの人に勇気や刺激を与えています。「かっこよく、楽しく生きたい」という純粋な思いを大切にしながら、自分らしい表現を追い求めているのです。
現在の長瀬さんは、日本のモーターサイクルカルチャーにおいて、若者から大人まで多くの人々に影響を与える存在です。レースやカスタムバイクに限らず、「挑戦することの意味」そのものを体現する人物として、これからも注目を集め続けることでしょう。