
近年、日本各地でクマの目撃や被害が増加しています。
今年、令和7年度もクマ被害のニュースをテレビで良く目にします。
本来は森の奥で暮らすはずのクマが、人里や住宅地に現れることもあり、日常生活に不安をもたらしています。
本記事では、クマの種類や生息地、被害の現状とその背景、さらに私たちが取るべき予防策について、
誰にでもわかりやすく解説します。
日本に生息するクマの種類と分布
日本にはヒグマとツキノワグマの2種類のクマが生息しています。
ヒグマは北海道のみに生息し、体が非常に大きく力も強いことで知られています。
ツキノワグマは本州ほぼ全域と四国の一部に生息していますが、四国では数が極めて少なく絶滅の危機にあります。
九州ではかつてツキノワグマが生息していましたが、すでに絶滅しています。
本州で唯一クマが全く生息していないのは千葉県です。
近年、クマの生息域は拡大傾向にあり、現在は34の都道府県でクマが確認されています。
山奥だけでなく、人里や市街地周辺でも姿を見せる事例が増えており、人とクマの距離は確実に縮まっています。
クマによる人身被害の推移
クマによる人身被害は年ごとに増減しますが、近年は増加傾向です。
2015年は全国で約50件だったのが、2023年には約200件と過去最多を記録しました。
この年、被害に遭った人は219人にのぼり、6人が命を落としました。
秋は冬眠前で餌を多く必要とするため、ドングリなどの木の実が不作の年には人里への出没が急増します。
過去には山菜採りやキノコ採り中にクマと遭遇して命を落とす事故も発生しています。
2025年に入ってからも、民家や物置への侵入、屋内での襲撃といった事例が報告されており
被害は山間部にとどまりません。
農作物や家屋への被害

農作物への被害も深刻です。トウモロコシやスイカ、柿、クリなどを食べ荒らすほか
果樹園を荒らして収穫前の作物を台無しにすることもあります。
養蜂箱を壊してハチミツを奪う被害も多く、全国での被害額は年間数億円規模に達します。
さらに、倉庫や納屋に侵入し飼料を食べる、窓ガラスを割って住宅に侵入するといった事例もあります。
こうした物的被害は修理費や作物の損失につながり、地域経済にも影響を与えます。
被害が増える背景
被害が増える理由は複数あります。
第一に、狩猟圧の低下や森林の回復により個体数が増えていること。
第二に、生息域が拡大し人との接触機会が増えていることです。
また、山の餌が不足する年にはクマが人里に下りてきやすくなります。
加えて、過疎化によって管理されない里山が増え、
クマが安心して活動できる環境が広がっていることも要因です。
クマ被害を防ぐために
クマは日本の自然を象徴する重要な生き物ですが、人間との距離が近づきすぎると危険です。
安全に暮らすためには、日常から以下の予防策を心がけましょう。
日常でできる予防策
- 山や森に入る際は必ずクマ鈴や音の出る物を携帯する
- 早朝や夕方など活動が活発な時間帯の入山は避ける
- 単独行動を避け、複数人で行動する
- 家の周囲に果物や生ごみを放置しない
- 出没情報を地域掲示板や自治体サイトで確認する
- 足跡やふんを見つけたら速やかにその場を離れる
最後に

行政や地域社会が協力して出没情報の共有や捕獲対策、クマの一定数駆除を進めることが不可欠です。
私たち一人ひとりも予防策を実践し、人とクマが安全な距離を保ちながら共存できる社会を目指しましょう。