
田久保真紀さんは、静岡県伊東市の現市長で、2025年5月に初当選し、同市初の女性市長となりました。
市民に寄り添った市政を掲げ、「無駄な大型事業より生活に必要なサービスを充実させるべき」と訴え、
多くの支持を集めました。
しかし、就任から間もなく学歴に関する疑惑が浮上し、その動向は全国的にも注目を集めています。
生まれと育ち
1970年に千葉県船橋市で生まれ、10歳の時に父親を亡くして母親と二人暮らしになりました。
中学3年生で伊東市へ引っ越し、地元中学校を卒業。
その後、静岡県立伊東城ヶ崎高等学校を卒業し、東京の東洋大学法学部に進学しましたが、
卒業には至らず大学を離れます。
大学を去った後は、生活費を稼ぐために様々な職業に挑戦しました。バイク便ライダー、
イベント人材派遣会社の営業、広告代理業の起業、地元でのカフェ経営など、多彩な経験を積みました。
市民活動から政治の道へ
2018年、伊東市八幡野地区で計画されていた大規模メガソーラー発電所建設計画に反対する市民運動に参加。
この活動は「自然環境や景観を守りたい」という思いから始まり、田
久保さんは事務局長や代表として運動の中心を担いました。
国や県への要望書提出、説明会での発言など積極的に行動し、最終的に計画を中止に追い込みました。
この経験が政治の道を志す大きな転機となります。
市議会議員から市長へ

2019年、無所属で伊東市議会議員選挙に立候補し初当選。
市議時代は市民の声を直接聞く活動を重視し、大型公共事業の見直しや財政健全化を訴えました。
2025年、市長選に挑戦し、3期目を目指す現職との一騎打ちに臨みます。
争点は総工費約42億円の新市立図書館建設計画の是非で、
田久保さんは「今の財政では優先すべきではない」と反対を表明。接戦を制して市長に就任しました。
学歴問題の発覚
市長就任から約1か月後、「東洋大学卒業」と公表していた経歴に疑問が浮上。
当初は否定しましたが、その後の記者会見で大学に確認した結果「除籍」であったことを認めました。
卒業証明書は提示されず、説明も二転三転し、市議会や市民からの批判が強まりました。
この問題は百条委員会(議会の調査委員会)による調査や辞職勧告へと発展します。
現在の状況と影響
一度は「2週間以内に辞職する」と表明しましたが、その後撤回し続投を宣言。
この方針転換で市議会との関係はさらに悪化し、不信任決議案の提出が検討されるなど、市政は混乱しています。
市民の間でも「説明責任を果たすべき」という声と「公約を実現してほしい」という声が入り交じっています。
最後に

田久保真紀市長は、多様な職歴と市民活動の経験を経て市長に就任した人物です。
しかし学歴を巡る問題で信頼が揺らぎ、政治家としての資質や説明責任が問われています。
今後、事実の解明と市民の信頼回復が、市政を安定させるための大きな課題となるでしょう。